:: 2005/12/02  00:00 ::

「患児のためのストレス浄化のデザイン」

入院中の子どもにとっての「遊び」とは何か,また現在の小児医療の現状を考察した上でデザインの介入する余地はどこにあるかという内容のレポートを紹介する.
(周東淳子:デザイナー・介護士を経て,現在,群馬大学大学院社会情報学研究科在籍)

概要

現在、小児医療は少子化の影響を受け、病院の中では採算性の問題からも、小児医療に対する財政的な支援が手薄になっている。子どもの入院治療には非常に手がかかる上、治療費が安く押さえられるなどの問題も抱えており、子どもの将来を考えると行く末は決して明るくはない。また入院している子どもたちも、親や友達と離れて治療を受けるなど、多くの精神的苦痛にさらされているが、その苦痛を表現することが難しいなどの問題点がある。

日本の小児医療は、今までは高度な医療技術で生命を救うことを主としてきたが、精神面のケアを重視した病院も、徐々にではあるが増えている。例えば、以前は病院の自腹、あるいは持ち出しによって医療保育士を採用していたが、2002年から医療報酬体系の中に「保育士加算」が加わり、制度的に保育士の役割が認められたことで、不採算であった小児医療は、大きな進展を遂げつつある。例えば,プレイルームを設置し、遊ぶことでストレスを軽減させる取り組みがある。

小児医療においても、子どもにとっても、「遊び」は重要な役割を担うが、入院している子どもは疾病や、治療による制限があり、身体を自由に動かすことができない。また、制限によるストレスにより、病気に立ち向かう意欲を失ってしまう恐れもある。

したがって、入院中の子どもが、さまざまな制約がある中でも楽しく過ごせるように、医療の面からではなく、違った角度から見た情報を抽出していく必要がある、その具現化する方法としてデザインを用いていく。デザインは単にもののかたちを考えるだけではなく、「情報の質」を高めるということに関しても有効である。ここで言う情報の質とは、表面化しにくい子どもの苦痛や感情を、医療従事者や親、あるいは子ども自身に気づかせるということである。

本稿では、入院中の子どもにとっての「遊び」とは何か、また、現在の小児医療の現状を考察した上で、デザインの介入する余地はどこにあるかということを検討した。


レポート全文(pdf/1.03MB)

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