「小児病棟におけるパフォーマンスを利用したストレス・コーピング支援の提案」
入院生活からくるストレスを解消するためのパフォーマンスを用いたツールの提案である.
人を介し,アクションやリアクションすることから,もっともそれを簡潔に行なえるという点で,服を媒体とした.
またストレスコーピング用のアイテムを盛込み,それぞれのアイテムにはゲーム性を持たし,参加型としてパフォーマンスを介した遊びによってストレスコーピングが可能である.
2006年度卒業研究・制作,口頭発表内容,[2007年1月25日]
「小児病棟におけるパフォーマンスを利用したストレス・コーピング支援の提案」
拓殖大学工学部工業デザイン学科 感性デザイン研究室:名嘉朝樹
指導教員:岡崎 章
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テーマは,小児病棟におけるパフォーマンスを利用したストレス・コーピング支援の提案です.
研究背景と目的
子どもにとって,入院生活とは検査や治療などさまざまな制約を受けます.それは成長・発達段階の子どもには強いストレス状態を引き起こし,健全な発達を妨げる可能性があります.
それら問題に対してコーピングが必要になります.ですが,子どもは大人と違いストレスへの対処能力が未発達であり,うまく対処するのが困難です.
現在,この問題に対しての対応は,既存の玩具にて行われたりしているが,必然的に積み木やごっこ遊びなどの偏った遊びでしかなく,結果ストレス発散等が不足していると言えます.
この偏った現状に対して,クリニクラウンという違ったアプローチからの活動があります.
それは,病院を意味する「クリニック」と道化師をさす「クラウン」を合わせた造語であり,入院生活を送るこどもの病室を定期的に訪問し,パフォーマンスや遊びにより、子どもたちに笑いを提供することを目的としています.
彼らの提供する「笑い」とは子どもが気分転換やストレス解消を図り,笑いによって子どもを支援します.
今回,このクリニクラウンに注目しました.
ここで,本研究のストレスコーピングの位置づけですが,
入院生活に伴うストレスに対して,クリニクラウンでのパフォーマンスによってコミュニケーションをとり,リアクションやアクションによって遊びの幅を広げます.
そして,入院生活において普段体験できない遊び,それは破壊衝動を満たす遊び,達成感を得られる遊びなどによって,子どものコーピングを支援します.
以上より,
研究目的はパフォーマンスを利用した,ストレスコーピング支援専用ツールの制作を目的とします.
研究方法
まず, 予備調査として,患児の生活,遊び,クリニクラウンについて調査しました.
次に,アイディア展開は スケッチ,ラフモック制作を交互に行なうことで展開してきた.
そして制作ですが,試作品1,2,3を制作しました.
最後に検討・改良では,実際に北里大学病院にて実際に使用してもらい,その評価より検討・改良していく
以上の工程を行い,問題点を上げ改善・改良を行ないます.
人を介し,アクションやリアクションすることから,もっともそれを簡潔に行なえるという点で,服を媒体にする事にしました.
またストレスコーピング用のアイテムを盛込み,それぞれのアイテムにはゲーム性を持たし,参加型としてパフォーマンスを介した遊びによってストレスコーピングする.
対象は,ベット上での安静を余儀なくされている入院患児とする.年齢は三歳から就学前とする.
ボタン等を引くことで,音がなったり,いきよい良くボタンが戻ったりなど,予想できない動きやモノが子どもの興味を引きつけるようにしています.
クイズ形式にし,答えをカードの絵柄から選択し体に貼っていきます.
解く達成感もあるが,自由に相手をコーディネイトする事から,ストレス発散の要因であるイタズラ,落書きにもつながります.
普段出来ない,人にモノを投げるという行為をゲームに取り入れてます.
投げるものには薬のカプセルの形を採用しました.
これはボーリングなどで味わう,破壊衝動を満たすストレス発散要因を含んでます.
子どもと対人者が,引き合いで張り合うことによってダイレクトなコミュニケーションを可能にし,はりあう,力をつかうことでストレス発散につながります.
実験
実験では, 的当てゲームと引き合いという対人者のリアクションがあるゲームを好んで遊んでいた.
子どもは遊びに慣れてくると,能動的に遊ぶようになり意図した遊びとは異なった新しい遊び方をした.
ゲームに集中しだすと,度々,ベッド上で立つことがあり危険を感じた.
的当てゲームに関して,看護師よりモノを投げる行為は子どもが何でもモノを投げる行為につながる可能性を指摘された.
改善点
改善点として,安全面の考慮として始める前にきちんとルールを説明することが必要である.
的当てゲームと引き合いのゲームは特に好んで遊んでたので,さらにバリエーションを加える.
パフォーマンスする側の体格の差に左右されにくいようにする.
なお,本ツールは,北里大学病院へ提供する.
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