:: 2006/11/27  20:24 ::

「入院患児のための手術用プリパレーション」絵本

Amazonにて販売を開始しました.

北里大学病院,自治医科大学とちぎ子ども医療センターなどで実際に利用されています

パンフレットを外来に置きたいというご要望がありましたので,ダウンロード可能にしました.

「入院患児のための手術用プリパレーション」絵本のパンフレット

 

 

 

「入院患児のための手術用プリパレーション」について.(2006年11月27日)

プリパレーション用インタラクティブツール[Smile]の「手術に行こう」と同等内容である.

従って,絵本の中のキャラクタが動き出す[Smile]との併用により,より効果的なプリパレーションが期待できる.

アナログである絵本という良さについての考え

[Smile]との相違点は,すべての画面に背景があること.そして,手術中の画面があることである.

患児の目から見た世界(景色)をすべてのページに入れている点が,あらゆる絵本として初の試みである
この絵本は,すべてCGを用いて制作(3d studio Maxで制作)しているため,GIFアニメーションで分かるように,視点を自由にしかも正確に設定できるのである.

これにより,鳥瞰図のように全体を見せる今までのプリパレーション絵本より,患児が実際に見るであろう世界を同時に見せることによってプリパレーションの効果が期待できる.

Smileと絵本の有効性比較について

実験用絵本「しゅじゅつに行こう」(出版絵本のプロトタイプ)

 
表紙と裏表紙を広げた状態で見たところ.


目次


キャラクター紹介

比較実験用絵本について(2006年2月5日)

「PCによるプリパレーションが絶対的によいと分かっているのに絵本による実験を行うことに倫理の問題があるのではないか」という疑問が出てくる.

実は,PCを用いたプリパレーションが紙芝居にすべて勝っているとは考えていない.勝っている表現もあれば絵本でなければできない表現(=訴える力)があると考えている.

PCを用いれば看護師の満足度が飛躍的に上がる,そのことは確信している.しかし,それに比例しては小児の満足度(不安払拭度)は上がらないと考えている(今後この点についてアイマークカメラと動作解析システムを使って検証する).

何故なら紙芝居,エプロンシアター,パペットには,PCにはないアナログな暖かさがあるからである.それは,3次元空間に現に存在しているということが何より効果があると考えているからに他ならない.液晶モニターを見る視触覚と紙芝居を見る視触覚では異なるからなのである.対象が幼児になればなるほどそうであると考えている.

もっと言うなら怖がって泣いている子どもに対してどんなに優れたインタフェースがあろうと(液晶モニターからの呼びかけや疑似抱擁があろうと),お母さんやお父さんの抱擁にはかなわないということである.
抱き枕のようなものを抱いて聞く方が優れているかもしれない.皮膚感覚ともいうべき視触覚・・・液晶モニターではできないものがあるというわけである.

従って,最終的に求めるものは,アナログなものとデジタルなものの組み合わせによって,更に効果的なプリパレーション用のツールを構想している.

現段階でアナログとデジタルの要素を共に持ったそのようなツールがないのであるから,紙芝居は紙芝居の効果を,PCにはPCの効果をまず知ることが必要であり,そのためにはそれぞれの実験を行わなければならないのである.

今後,アイマークカメラ,動作解析システムによる分析で明らかにしていく予定である.

なお,このシチュエーションは架空ではなく,北里大学病院小児病棟3Aの協力を得て制作している.
また,キャラクタも実際の看護師に似せて制作した.

プリパレーション用絵本「しゅじゅつにいこう」が2006年2月5日完成した.

制作プロセス

 
3d studio Maxで制作


Photoshopでレタッチ&文字入れ


3d studio Maxで制作, ver1_051224

完成した比較実験用絵本

 
表表紙


説明分


裏表紙

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