:: 2010/06/05 15:59 ::
ペンタトニックスケールを用いた音楽療法支援ツール
東京都立北特別支援学校東大こだま分教室の授業で使用後,フィードバックした改訂版
ツールの詳細
音楽療法とは,音楽の持つ生理的・心理的・社会的働きを,心身の障害の回復,機能の維持改善,生活の質の向上を目指して意図的,計画的に活用して行われる治療的,教育的技法である(1).
現在,現場で広くおこなわれている治療が即興音楽療法である.即興音楽療法とは,患者や音楽療法士が治療にあわせた音楽を即興で演奏するものであり,治療効果の高い方法とされている.しかし,患児との関係を取りながらの即興演奏は,専門家でも難しいと言われている.
そこで容易に曲が生成できれば,音楽療法を行う両者の支援になると考えて,専用のツールの開発を行った.
患児も操作でき,ベッド上にも持ち込め,消毒が必須,という条件から,タッチパネルで操作可能なインタラクティブ・ツールを想定し,FLASHを用いて制作した.
- 楽器を操作したことがなくても音を鳴らせばそれなりの音楽を醸し出すことができる特性を持つ,ペンタトニックスケール(2)を主に用いた.
- メニュー画面(図1)から動きのあるアイコンをタッチすると音遊び画面(図2)に移動する.
長期にわたる入院を余儀なくされている患児を想定して自然の音,日常の音をペンタトニックスケールの五音に加工し,タッチするとアイコンのアニメーションと共に音が鳴ようにした.
この画面は,遊びをメインとした導入のためのコンテンツである. - メニュー画面の虹をタッチすると鍵盤画面(図3)となる.
音楽療法のメイン画面であり,音階・音色などの選択ができる.
音を録音・再生することができ,その音を使って専門家が即興することができる.
(1)日本音楽療法学会公式サイト http://www.jmta.jp/
(2)岩尾裕・岡崎香奈:音楽之友社 即興演奏ハンドブック,2003
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